自律神経失調症と漢方薬その2

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自律神経失調症を漢方薬で治せるのか

 

 

自律神経失調症を漢方薬で治せるのでしょうか?

 

 

自律神経失調症とは、自律神経(交感神経と副交感神経)系のバランスの異常から起こると考えられている疾患の事です。

 

 

その症状は、めまい・冷や汗・立ちくらみ・耳鳴り・吐き気・頭痛・微熱・過呼吸といった身体症状から、人間不信・情緒不安定・抑うつ気分など、精神的な症状が現れることも多くみられます。

 

 

上記のとおり、自律神経失調症には様々な症状があり、どの症状がどれくらい強く(あるいは弱く)出るかは、患者によって違います。そして、患者の多くは、心療内科や神経内科に通っています。

漢方医学から見る、自律神経失調症に効果のある漢方薬

 

自律神経失調症に効果のある漢方薬はあるか? 

 

 

という話に入る前に、漢方医学の基本的な考え方と診断方をご紹介します。

 

 

漢方医学では、人間の身体は気(=「き」。生命エネルギー)・血(=「けつ」。

 

 

血液にあたる)・水(=「すい」。血液以外の体液)の3つの要素が、それぞれバランスを取り合いながら人間の身体の中をめぐっていて、それらのバランスが崩れると、体調不良になると考えられています。

 

 

気・血・水の変調を探るために、漢方医学では、「四診」という、独自の診察方を取っています。

 

四診とは、望診(ぼうしん)・聞診(ぶんしん)・問診(もんしん)・切診(せっしん)の四つの診断方法です。

 

 

望診:顔色や表情、そして、患者の態度・姿勢・体型・髪の様子などを診る事。

 

舌を診る「舌診(ぜっしん)」も望診に含まれます。

 

 

聞診:声の大きさやトーン・話し方・咳の出方・痰の詰まり方・吸音などを聞く診察。

 

体臭や口臭を嗅ぐという診察も含まれます。

 

 

問診:自覚症状や発症の時期などを聞いていきます。

 

そのほか、病歴・日常生活の様子などを聞くこともあります。

 

(これは漢方医学だけの診断方ではなく、西洋医学でも行われている診察ですが、西洋医学よりも細かく聞かれます)

 

 

切診:体に触れてその状態を診る。

 

大別すると、「脈診(=脈を診る)」と「腹診(=腹部を診る)」があります。

 

上記の診察を総合して、「証」という漢方的な診断を出して、それに基づいて薬を処方します。

 

前書きが長くなりましたが、ここで、漢方薬で自律神経失調症が治るという話の本題に入ります。

 

漢方医学の考え方に照らし合わせれば、自律神経失調症は、「気・血・水」の中の「気」に問題が生じて起きると考えられます。そのため、患者の体質などを考慮しながら、気の状態を整える漢方薬を処方します。

 

そのため、自律神経失調症には、「気剤」と呼ばれる、香蘇散(こうそさん)・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)などの漢方薬が処方されるのが一般的です。

漢方薬とは違う、西洋医学による自律神経失調症の治療法

 

これまで漢方医学の考え方にそって自律神経失調症に効くと言われる漢方薬の紹介をして来ました。

 

蛇足かもしれませんが、ここから先は、西洋医学の考え方による自律神経失調症の治療法をご紹介しようかと思います。西洋医学の考え方に基づいての自律神経失調症の治療方は、大きく分けて薬物治療と心理療法的な治療に分かれます。

 

薬物療法では自律神経調整薬や抗不安薬などが用いられます。

 

そして、心理療法的な治療では、行動療法などが行われます。

 

最近では体内時計を正常にするために強い光を体に当てる、という治療法もあるそうです。

 

漢方医学と西洋医学、どちらが良いという事は、一概には言えません。

 

最終的には「自分にはこの方法があっている」と実感出来る方法を、患者さん一人一人が選択する事だと思います。